三浦 嶋太郎の
酒あれこれ
出版によせて
岐阜新聞編集局長 田中 忠 

『二番館』には私も顔を出させてもらっています。プロがつくるカクテルの味を楽しんだり、酒にまつわる話、酒の楽しみ方も随分教えていただいた。開店以来三十五周年。若者、女性客が増えるなどお客さんの顔ぶれ、層はそれなりに変わりましたが、カラオケは置かず、バーテンダーは男に限り、ひたすら「酒は味と会話で楽しく飲む」しいう姿勢が保たれています。マスター三浦嶋太郎さんには匠の心さえ感じます。

その三浦さんが、開店三十五周年を記念して『続・酒あれこれ』を出版されました。よくもまあ、これだけ数多くの話を書き続けられたもんだと感嘆しています。

この本には岐阜新聞に週一回掲載されたものが、一部手直しして収録されています。酒の席を盛り上げてくれそうな「へえー」と思う話や、「あ、そうだったの」と驚きを与えてくれる話が数多く載っています。

十二年前、新聞にこの原稿を書くように依頼しました。『二番館』のカウンター越しに「酒の話なら山ほど書けるよ」「そんなに書けるかいな。できるものなら、どれだけも書いていただく」「受けて立ちましょう」といった会話がきっかけでした。

以来一九九四年十一月にはそれまでに掲載された分をまとめて『酒あれこれ』が出版されました。『続・酒あれこれ』は、その後紙面に掲載されたものが収められています。岐阜新聞での連載記録としてはこの記事が最長で、おそらく今後も破られることはないでしょう。

三浦さんは勉強家で、研究熱心です。「酒道の達人」「酒の博物誌」という評もあります。かって三浦さんは大垣市でカクテルコンクールを催されました。地場産の素材でカクテルをつくり、素材のPR、地域の振興につなげたいとの意欲の表れでした。私も少しだけ携わりましたが、まずまずのイベントになったのは、三浦さんの熱意、行動、アイデアに、訴える力があったからこそでしょう。その後も、数多くのイベントに積極的に参加されており、頼もしい限りです。

店では笑顔を絶やさず、客の気分をくみ取った味のある話しっぷりで、これからも楽しい酒をふるまっていかれることでしょう。ますますの活躍を期待しています。

平成11年11月
2005.4.1
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